進学校で不登校の高校生時代…親も子も感じた苦しみと進路変更の道

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娘は中学時代、勉強をがんばり、私立の進学校に進みました。

部活も勉強もぎゅうぎゅう詰まった高校生活が始まり、休みがちになり。

とうとう不登校に。

その時に娘が感じていた事、そして親として思っていた事。

今まで、考えたこともなかった進路変更への道について、思うまま書いてみます。

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高校は進学校…夏休み明けには不登校に

娘は中学時代に勉強をがんばり、進学校に合格しました。隣の市の私立高校です。

本人がここがいいと言っていたので、親の私も何の疑問もありませんでした。

学校見学に行った時に、「この学校は、かなり勉強に気合が入ってるんだな」と思ったけれど、まあ、これから先大学に行くつもりなら良いか、という程度の認識でした。

でも、行ってみれば予想以上の勉強が待ち受けており、学校って言うか、進学塾?って思ってしまうほど。

部活にも力を入れていて、娘が入った部は県内でも有数の実力があり、土日も欠かさず練習があります。

同じ学校の生徒たちも、どちらかと言えばハキハキしていて、勉強バリバリ、運動バリバリ、という雰囲気に見え、気後れするばかりです。

のんびり気質で、部活も勉強も、周りの友達と楽しく中学時代を過ごしていた娘にとっては、カルチャーショックレベルです。

1学期のテストでは学年20番以内をキープできたものの、そこで息切れ。

そのころの娘は、指輪物語、ハリーポッター、罪と罰、…長いストーリーでも、分厚い文庫本でも凄いスピードで読み終えていました。

本を読むのはいいことだし、好きだから読んでいるのだろうと思っていたのですが、そうではなかったんですね。

後で聞いたところ、学校では休み時間はもっぱら読書で、一人の世界にこもって、お弁当も一人で食べていたみたいです。

クラスメイトでも2,3人は話せる子がいたようですが、打ち解けることが出来なかったのだそう。

結果的には学校に行くことそのものがとてつもないストレスとなってしまい、学校も部活も休み勝ちになりました。

担任の先生や、学年主任の先生はとてもいい方で、娘のケアをしてくれましたが、それ以上に日々の生活が苦しかったようです。

極めつけは、部活の先輩からの「練習に来てもらわないと困る」という長文LINE。それで、夏休みの練習に行けなくなり、そのまま完全なる不登校になりました。

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不登校になりたての子を持つ親の気持ち

4月の段階から休みがちになっている娘に対して、親の私は「まだ慣れていないからだね」「慣れれば行けるようになるよ」「クラスもいい子がいてよかったね」といった声をかけていました。

小中時代は、ほとんど欠席したことがない子だったので、親の私自身が不登校になりかけていることを認められなかったんです。

今はちょっと休んでるけど、きっとまた行けるようになる。と思っていた、というより、思いたかった。

なんとか毎日行けるように、朝起こしてご飯を食べさせ支度をして、車に乗せて学校へ送る毎日。

でも、学校まで車で送っても、学校の駐車場で車から降りられないことが何度も続きました。

それでとうとう「あ、この子はいわゆる”不登校”という状態なのだ」と理解しました。

理解はしたけど、まだ、学校に戻さなくちゃという気持ちが強かったです。高校に行けなかったら大変なことになると思っていたのです。

夜は「明日は学校行くよ」と言っても、朝になると体をギュッと抱え込んで動かない娘。

朝が来るのが怖い。朝、起こして学校に行くかどうか、ずっとハラハラしていて。

車に乗って学校まで行っても、そこで学校に足が向かうかは行かなきゃわからない。

学校に行かせよう、行かせなくては、という気持ちでいる間は、親の方も辛くてたまらなかったです。

本人が一番つらいけど、親もつらい。誰か助けて、と。

ママともに相談しても、本当に理解してもらうことはできません。

「行きたくないなら、行かなくっていいじゃん!高校出てなくても生きていける」とか「え?高校行かなかったらどうなるの?どうするつもり?」とか。

芸能人の不登校エピソードもハッキリいってイライラを募らせるばかりで全然参考にならなかったです…。

運悪く、主人は単身赴任でいなかったので相談する相手もなく。私の両親には「学校に行かないなんて!」と責められる始末。こういうのを八方ふさがりというのかも…。とぼんやり思いました。

ずっと同じところに住み続けているので、周りの家の人たちはうちの事をよく知っているし、地元のまま友ともスーパーで出会ってしまいます。

そのたびに「あの子はいつも家にいて何してるのかしら」と言われているのではないかと、勘繰り、親も外に出にくくなってしまうんです。

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高校は欠席するとどうなるのか

今、日本のほとんどの子供は高校は卒業しています。大学進学は全員ではないけれど、高校はかなり高い確率で出ていますよね。

だから、高校に行けなくなって、中退、なんて事態になったらどうしようと、すごく思いました。

中学で不登校になったとして、1日も学校に行かなくても卒業はできます。でも、高校はそうはいきません。

高校では進級、卒業のための必要な単位があり、その単位を取れないと卒業できないわけです。

娘が通っていた進学校の先生によれば、出席すべき日数の1/3を欠席すると単位が認められない、とのこと。

同じ曜日に何回も休んでいれば、その授業の単位がどんどん足りなくなっていきます。

学校に行っても授業に出ていなければ出席に認められず。保健室登校ではカウントされません。

(ただ、例えば冬休み、春休みに、足りない単位の授業の補講を受ければ単位を認められるとか、心療内科で診断書をもらえば単位が足りていなくても進級はできるとか、いろいろと救済措置はあるようでした。)

休めば休むほど、後がなくなり、後がないから余計に焦って、無理していかせようとしていました。

それをすると一時的には行けても、また行けなくなるんです。本当に悪循環でした。

娘の表情も暗く、私もどんよりしていて、口を開けば学校行かなくちゃ、ですから親子関係もだんだん悪くなってしまいます。

留年するしかない、もしくは退学…。とよぎりました。

進路を通信高校に変えてからの娘の様子

そんなある日、娘が「ねえ、通信制高校ってどうなの、そこ行ってみたい」と言いました。

本人もこのままではいけない、という気持ちがあったのでしょう。自分なりに調べて、高卒認定を取れば大学に行けるかも、いやその前に通信制高校というのがあるらしい。と思ったようです。

通信制高校と聞いてすぐ浮かんだのは「中学時代、学校に行かなかった子が行くところ」「高校受験に失敗して後がない子が行くところ」というマイナスなイメージです。

学歴がものをいった世代を生きてきた母親なので、「通信制なんて!」という気持ちがありました。今となってはごめんなさい。

本人が不登校になってから初めて、意思表示をしたのは良い傾向だと思い、一度話を聞きに行ってみたんです。

初めて足を踏み入れる通信制高校は、予想に反してなかなか良いところでした。今まで行っていた全日制の学校とは全然違います。

学校というか学習塾のような建物で、教室も5つくらいしかないですし、体育館も科学室もない空間。

入ってすぐに職員室があり、先生たちはとても和やかで良い人たちで、子供たちと楽しそうに話していました。

話を聞いてみて、私が持っていた通信制高校のイメージは偏見でしかなかったです。人生何度でもやり直しができるんだと思えました。

通信制高校を受験して、通い始めてからの娘は、全日制に通っていた時に比べて生き生きとして見えました。

友達もたくさんでき、趣味の合う友達がいて、こんな話をした、あんな話をした、といつも楽しそうに話してくれました。

部活動もゆるめで、娘は大好きな料理を習って家で披露してくれたり、とにかくガラッと変わったんです。

学校の友達がうちに遊びに来たのも、通信制に転校してからです。あれほど親として嬉しかったことはありません。

一度は真っ暗になっていた我が家ですが、転校したことで、光が差した、という思いでした。

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まとめ…欠席があったとしても

通信制に転校しても、完全に皆勤で学校に行けていたわけではありません。

やっぱり相変わらず、その日の体調や気持ちで休んでしまうこともありました。

でも、苦しかった進学校時代に比べればずいぶんと顔が明るくなりましたし、余裕が見えるようになったのはよかったです。

新しく通った学校でも、進学についてはケアがあり、頑張り次第で大学も行けるようでした。

まあ…進学校に比べたら授業数は少ないですし、受験できる学校の選択肢は狭まったかもしれませんが、それはそれ。

高校に行けなくてお先真っ暗、もう、八方ふさがり、詰んだ、と思っていたけれど、いくらでもやり直しはできるんですね。

娘が不登校になって、良かったことは、私の中のさまざまな偏見が消えたこと、娘といろいろと話せるようになったこと、です。

ママとも以外の人に話を聞いてもらいながら、母親の私自身が変わったことで、不登校は解決に向かって行ったのかもしれません。

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